来自阿古智子的回复和冯媛的投稿 ——关于滕彪被邀出席明治大学国际研讨会一事
梗概:关于在日女权伙伴针对滕彪出席明治大学研讨会发表公开信一事,我们收到了阿古智子教授的回复,同时也收到了来自冯媛的评论投稿,在此一并发出,供各位朋友阅读参与讨论。如果对此话题抱有关心,也非常欢迎向我们投稿。投稿邮箱:[email protected]
概要:在日のフェミニストの私たちが、明治大学での滕彪氏の講演に対する公開質問状を発表しました。私たちは阿古智子教授からの回答と、冯媛さんからのコメント投稿を受け取りました。ここで一括して発表し、皆さんに読んで議論に参加していただきたいと思います。この件にご関心がございましたら、ご投稿ください。投稿受付:[email protected]
背景介绍:
阿古智子:东京大学大学院综合文化研究科教授、现代中国学会理事长,长期关注中国人权议题(详见:研究者主页),在滕彪出席的《中国自由派知识分子的挑战和日本的角色》研讨会上担任commentator。
大学院総合文化研究科教授、現代中国学会理事長、中国の人権問題に長年関心を持っている(詳しくはhttps://www.u-tokyo.ac.jp/focus/ja/people/people003227.html)。滕彪が登壇した国際シンポジウム「中国リベラル派知識人の挑戦と日本の役割」でコメンテーターを担当した。
冯媛:女权活动家,为平妇女权益机构联合发起人,性别平等工作者,1980年代以来通过新闻、扶贫和社区发展、教学、研究和NGO工作推动性别平等。(冯媛专访:妇女权益路上的践行者)
フェミニスト活動家。北京為平婦女支援ホットラインの共同運営者。ジェンダー平等を推進する活動家。1980年代から、メディア・貧困援助・コミュニティ作り・教育・研究・NGO活動などを通じて中国のジェンダー平等を推進してきた(詳しくはhttp://www.equality-beijing.org/newinfo.aspx?id=29)。
(一)来自阿古智子的回复
中文:
我非常仔细、认真地读了你们的信。 我相信女权主义者们在写这篇文章的过程当中不断地讨论、修改过很多次了。 我印象非常深刻。
我个人非常重视这个问题,但我还有许多其他项目需要采取紧急行动来做维权工作。 因此,我每天都很忙,无法立即回复。
不过,我还是想在3月16日的研讨会之前写一个回信。 所以现在我正在减少睡眠和写文章。 3月15日,也就是研讨会的前一天,我们与滕彪先生以及其他研讨会参与者和媒体人进行了讨论。 我还询问了我的熟人的意见,包括性别研究人员、支持性暴力受害者的朋友和律师。 虽然我还没有足够的知识和经验,但我想和大家分享一下我目前的想法。
作为明治大学国际劳工研究所的一个项目参与者,我和研究所的人就滕彪先生参加研讨会的问题进行了多次讨论。 我个人认为,我们在筹划这次研讨会的准备阶段已经做了我们能做的事情。
你们提出了滕彪先生是一个“公共人物”。他没有经过独立第三方的公开调查,所以不能继续若无其事地参与公共活动。
关于这一点,我听滕彪先生说,他担任理事的几个组织和他讲课的大学都召开了专家委员会并进行了讨论。 关于大学,我还咨询了在那里工作的教职人员。你们可能认为报告内容公开才能做出判断,但我认为没有必要公开。
即使在涉及性暴力的司法审判中,如果存在侵犯当事人及其家属或相关人士的隐私或者造成二次损害的风险,也会进行闭门审议。 我想滕彪先生的情况也是如此。
澄清真相固然重要,但对于目前女方提出的“强奸未遂”罪名,她与滕彪先生的证词却存在矛盾。 由于这件事是在私人空间发生的,而且几乎没有其他物证或证词,我们无法做出判断。你们的信中提到了“受害人”一词,但“强奸未遂”不能被认定。
如果某人被错误地贴上“加害者”的标签,那么该人、他或他的家人以及相关人员就会受到伤害,并会造成新的伤害。 正因为真相不明,所以我们必须仔细讨论。
我明白#MeToo运动之所以蔓延,是因为我们不能仅仅依靠法院和警察,因为我们无法在法律下得到公平的待遇。 我亲自与弦子和伊藤诗织互动,直接从她们口中听到各种故事,一起流泪。 虽然我不是女权主义方面的专家,但最近我一直在积极从性别角度写论文,学习女权主义。 我们可以看到,一些默默无闻的人正在遭受痛苦,因为她们无法提出指控,即使她们提出指控,也没有人注意到。 我强烈渴望支持#MeToo 运动。 我个人希望为消除结构性歧视尽自己的一份力量。
然而,现实是非常残酷的。 改变不平等的社会结构,建立容忍不公正的制度和政治制度需要时间和努力。 如果我们试图在短时间内彻底改变人类和社会长期创造的东西,我们将需要使用强硬的力量。 它可能导致暴力,以意想不到的方式伤害人们,并造成其他受害者。 这种情况在世界各地的许多社会运动中都出现过。
我同意创造“对话空间”,但我也认为我们必须避免涉及情感冲突或暴力的言论和行动,并且我们必须尊重理性。 我担心这会在辛苦劳作的女权主义者之间引起冲突,她们辛辛苦苦建立起来的运动基础会被摧毁。 最终,这种分裂结构导致了男性主导社会的活力。 为了防止这种情况发生,我认为我们需要坚持不懈地继续女权主义者之间以及与非女权主义者之间的对话,同时调和不同的意见。
东京大学 阿古智子 2024 年 3 月 16 日
日文:
あなたたちの手紙を、とてもじっくり、真剣に読みました。フェミニストの仲間たちで何度も議論し、何度も練り直し、書き上げたのだろうと思います。とても感動しました。
私自身、この問題をとても重視していますが、他にも同様に人権擁護のため、急な対応を要するプロジェクトを多数抱えています。そのため毎日非常に忙しく、すぐにお返事できませんでした。
それでもなんとか、3月16日のシンポジウムの前にお返事を書きたかったのです。だから今、睡眠時間を削って書いています。シンポジウムの前日の3月15日には、滕彪氏やその他シンポジウムの登壇者、研究者やメディアの方々と議論しました。私自身、知り合いのジェンダーの研究者や性暴力被害者の支援をしている友人、弁護士などにも意見を聞きました。まだ十分な知識や経験を有していませんが、今、私なりに考えていることを、お伝えしたいと思います。
滕彪氏がシンポジウムに参加することについて、私も明治大学国際労働研究所のプロジェクトに関わる身として、研究所の人たちと共に議論を重ねてきました。私自身は、シンポジウムを企画する準備の段階で、私たちができることはやったと考えています。
皆さんは、滕彪さんが「公共の人物」であり、独立した第三者による公開の調査が行われていないにも関わらず、何事もなかったかのように公的な活動に参加し続けることは不適切だと書いておられます。
その点については、滕彪氏から、理事を務める複数の団体や講義を受け持つ大学で、専門家による検討委員会が開かれ、議論が行われたと聞いています。大学については、そこで勤務する教員にも確認しました。その報告書の内容を公開しなければ、判断ができないと思われるかもしれませんが、私はその必要はないと考えています。
性暴力に関わる裁判でも、当事者やその家族、関係者のプライバシーを侵害したり、二次被害が生じたりする可能性がある場合は、非公開で審議が行われます。滕彪氏のケースについて、私はそれに該当すると考えています。
真相を明らかにすることがもっとも重要ですが、今回容疑として取り上げられている「レイプ未遂」については、女性と滕彪氏の間で証言が食い違っています。密室で起こったことであり、他に物的証拠や証言がほとんど得られない状態ですから、私たちには判断ができません。あなたたちの手紙には、「被害者」という言葉がありましたが、「レイプ未遂」については認定できていません。
誤って「加害者」とされた場合、その人やその家族や関係者を傷つけ、新たな被害を生むことになってしまいます。真相が明らかではないからこそ、慎重に議論しなければならないのではないでしょうか。
法律による公正な処遇を得られないから、裁判所や警察だけに頼ってはいられないから、♯MeToo運動が広がっていったことはよくわかっています。私自身、弦子さんや伊藤詩織さんと交流し、彼女たちから直接さまざまな話を聞き、共に涙を流しました。私はフェミニズムの専門家ではありませんが、最近積極的にジェンダーの観点から論文を書き、フェミニズムについても学んでいます。無名の人が告発できず、告発しても誰にも気づかれず、苦しい思いをしていることもわかります。私は#MeToo運動をサポートしたいという強い気持ちを持っています。構造的な差別を解消するために、私自身も力を尽くしたいと考えています。
しかし、現実はとても厳しいです。不平等な社会の構造、不公正を容認する制度や政治システムを変えるためには、時間も労力もかかります。長い間かけて人間が、社会がつくってきたものを短い時間で急激に変えようとすると、とても強い力をかける必要が出てきます。それは暴力となり、思っても見ない形で人を傷つけ、別の被害者を生むかもしれません。世界各地で起こった多くの社会運動において、そのような状況が生じてきました。
「対話の空間」を作っていくことに賛成しますが、感情的な対立や暴力を伴う発言や行動は避けなければならない、理性を重んじなければならないと私は考えています。私は今回のことで、努力を続けてきたフェミニストたちが対立し、せっかく築き上げた運動の基盤が壊れてしまうことを恐れています。そうした分断の構図は、結局のところ、男性中心の社会を活気づけることにつながってしまいます。そうならないように、フェミニストの間でも、フェミニストではない人たちとの間でも、異なる意見を調整しながら、粘り強く対話を続ける必要があると、私は考えています。
東京大学 阿古智子 2024年3月16日
(二)来自冯媛的评论投稿
中文原文
谈谈滕彪先生被邀出席明治大学一国际研讨会
在日本的女权主义者们发起了一个公开信行动,质疑明治大学国际劳动研究所邀请被爆“性侵未遂”的滕彪出席一个国际研讨会并发表演讲。这个研讨会名为“中国自由派知识分子的挑战和日本的角色”。作为参与联署这封公开信的121人之一,本人在此就几个问题表达一些粗浅的看法,以贡献于关于#MeToo运动/反对性别暴力的持续讨论。
公开信的初衷是唤起主办方关注性别暴力问题,以恰当的方式处理回应公众的关注。在公开信的起草者看来,对滕彪先生这样“公共人物”的指控,特别是在已经引发舆论广泛关注后,应该有独立第三方进行调查并公布结果,给公众和关注者有一个交代,这也是对涉事各方的负责。尽管目前由独立第三方开展这类调查是比较理想化的期待,但只要是程序公正严谨、取证全面充分的调查,即便是涉事方相关的机构开展或委托进行的,也有相当的公信力。公开信认为应该公开调查结果,我理解,其本意是公开调查的程序和结论,而不是要求公开所涉及的性骚扰/性侵事件的情节和细节。
现实中,不仅性别暴力(性侵、性骚扰和家庭暴力),其他很多纠纷、侵权行为乃至犯罪(如盗窃、抢劫、袭击等),往往都发生在没有第三在场或目击的情况下。即便如此,公众、有关机构和司法机关都可以有各种办法找到各种证据、并根据这些证据来做出判断。即便对有些个案的调查,由于种种原因最终难以斩钉截铁地认定侵权行为/施害或犯罪的存在,但仍会在调查结果中表达调查人员的判断,如指控所发生的事有多大程度的可能性,或此事是否误会等。无论是否能得出证实或证伪指控的结论,调查报道的结论部分都会包括建议,如怎样“亡羊补牢”,如何对事件进行善后,有关机构今后建立或完善政策/流程/方法来预防和处理此类事件。这样的调查程序、结论和建议,多少能给当事各方起码的公道,公布出来也是有必要,并非常具有建设性的。
我关注到滕彪先生的自辨和道歉。行为人为自己辩解,是权利也是本能。现实中,指控者和被指控者的证词不一,甚至相反,是一个常态。无论是在法庭、私人空间还是在舆论场上都是如此。滕彪先生是法律行家,肯定深知即使法庭都接受不能让人自证其罪的道理。“强奸未遂”指控爆出之前几周,已经就有人公开张扬,这也给了滕彪先生相当的时间和空间,向他任职的机构、他有合作的大学和各国专家学者、资助者们,甚至他所重视的女权意见领袖,诉说自己的无辜。滕彪先生后来也发布了自己的公开道歉,认为自己做法是“不可接受和不可原谅的”,是“我一个人犯下的错误,后果也应由我一个人承担,所以请我的朋友们一定不要为我辩护”[1]。滕彪先生的道歉公布至今,不到一年,公开信行动其实也是提醒他应该信守其中的承诺,自己勇敢地承担后果,而不要让他的朋友们为其辩护,分担其行为的后果。
滕彪先生一直活跃在舆论场和很多公共活动之中,这是他个人的选择。但有关机构邀请谁出席公共活动,则可以是一个公共话题,因此一些在日女权主义者在研讨会举办的前几天发出了这封公开信。我们知道,在#MeToo运动席卷全球之后,很多机构和人士都意识到,即使某些不构成 “强奸未遂”的行为,哪怕是“异常笨拙的求爱”而只要接受方的“感受并不相同”,都构成行为失当;行为人和相关机构,都是可以被问责和要求采取措施的。何况,据我所知,对滕彪先生,已经有不止一位女性在不同范围内说出了自己的遭遇,甚至正式给一些机构提出过自己的投诉,提交了自己详细的证词和更多的证据线索。由于那些机构没有任何公开,我们不知各位女方当事人的意见是否被那些机构倾听、进一步求证和加以考虑。但是,至少,那次 “强奸未遂”指控涉及的活动主办者,2023年6月发出过公开声明,承认自己当时的错误“是严重的”,其一是不问青红皂白地假定女方对此事负有一定的责任,而粗暴地指责她捅篓子,给她造成了很深的伤害;其二,过分关注会议、所在组织以及自己个人的形象,而忽视了一个团队成员或者会议出席者遭遇一个恶劣事件的感受;其三,作为团队的负责人躲避责任,没有给女方应有的救援[2]。那么,当时活动主办方的反思,至少值得此次明治大学国际劳动研究所借鉴。
而且,明治大学国际劳动研究所应该了解,国际劳工大会通过的《2019年暴力和骚扰问题公约》及其任择议定书[3],对暴力和骚扰作出了定义,并为预防、应对与消除暴力和骚扰制定了共同框架。它们旨在通过社会对话,建立一个公正、尊重和安全的劳动世界。无论城乡,无论是在正规和非正规经济中的所有私营或公共部门,该公约都适用。公约也覆盖那些与工作有关的出行、旅行、培训及活动或社交活动期间,以及与工作相关的通讯。在这样的情况下,在举办这样一个以自由和权利为主题的向公众开放的国际研讨会时,却仍然无视已经提出的疑虑以及可能发生的反对,不能不说是一件非常遗憾的事情。
公开信的诉求和语言都是平和的,目的在于唤起主办方的关注,并以恰当的方式处理,展示主办方作为有声望、负责任的机构的社会关怀和社会责任,公开信的诉求,也完全吻合和主办方研究劳动问题的专业性、和探讨自由权利的国际会议的宗旨。3月16日研讨会当天,有几位女生先后到会议场外,也是在非常克制地进行表达。如果说公开信行动会带来伤害,那也只是由于滕彪先生背离自己几个月前的公开道歉的行为带来的,是他给自己作为人权维护者的声誉、给自己的家人以及相关人员带来的旧伤新害,而不是因为现在这封公开信的缘故。在反性骚扰者看来,就是目前不止一位女性披露出来的遭遇、所提供的证词,让我们相信滕彪先生是性骚扰的“加害者”,而不是给他贴标签。即便他自己当初和现在都不认为如此。那些伤害是停止、疗愈,还是继续或加剧,只能由滕彪先生自己之后的选择来决定。明治大学国际劳动研究所尽管不是公立机构,但作为有社会声望的学术机构,对公众或公共议题的关注者,对此也有着不可推卸的社会责任。
冯媛 北京为平妇女支持热线
2024年3月18日
※本文相关注释与引用
[1] 本文对滕彪先生的直接和间接引语,均采自自由亚洲电台2023年6月22日报道:
https://www.rfa.org/mandarin/yataibaodao/kejiaowen/kw2-06212023133935.html
[2] 同上报道。
[3] Fifth item on the agenda: Violence and harassment in the world of work: https://www.ilo.org/wcmsp5/groups/public/---ed_norm/---relconf/documents/meetingdocument/wcms_711242.pdf。
日文翻译:
明治大学国際労働研究所が「中国リベラル派知識人の挑戦と日本の役割」と題されたシンポジウムに、「強姦未遂」の告発を受けた滕彪氏をゲストとして招待したことについて、在日のフェミニストたちは疑問を呈する公開書簡を発表しました。この公開書簡に署名した121人のうちの一人として、私の見解を述べさせていただきたいです。#MeToo運動や性暴力に関する議論への貢献になれば、幸いと思います。
この公開書簡は、主催者に性暴力の話題への関心、また公衆に対する適切な対応を呼びかけるものとして理解しています。公開書簡の作成者から見れば、滕彪のような「公共人物」に対する告発の対応として、とくに社会で広範な関心を呼んだ場合では、独立した第三者による調査、またその結果の公表が考えられます。これこそが公衆や事件に関心を持つ人にとっての「回答」になり得るし、当事者たちへの尊重と責任が見られます。
現状では、独立した第三者による調査が行われることは理想的なのですが、公正かつ厳格な手続きに基づく調査が行われるのであれば、(第三者ではなくても)関係を持つ機関やそれによる依頼調査でも、十分な信頼性があると考えられます。公開書簡はその調査結果の公表を求めるのは、決して性的暴行や被害の詳細の公開を求めているのではなく、正当な調査の手続きとその結果の公開を求めていると私は理解しています。
現実世界では、性暴力(セクシュアルハラスメント、DV)だけでなく、多くの紛争や侵害行為、または犯罪(盗難、強盗、暴行など)は、第三者に目撃されせずに発生します。それでも、一般市民、関連する機構、司法機関は、様々な方法を用いて証拠を見つけ、その証拠に基づいて判断を下すことができます。たとえ特定のケースにおいて、調査が様々な理由によって最終的に明確な侵害行為や加害、犯罪の存在を認定することが難しい場合でも、調査結果で調査員の判断が反映されることもあります。例えば、事件が告発された通りに起きた可能性はどれくらいか、または誤解の可能性はあるかなどです。証明または反証の結論が得られるかどうかにかかわらず、調査報告書の結論部分には、対応方法や今後の対策/被害防止の方法などの改善するための提案が含まれます。このような調査プロセス、結論、提案は、当事者たちに最低限の公正な結果を与えることができます。このような結果を公表することは必要であるし、非常に建設的であると考えられます。
私も滕彪氏の自己弁護と謝罪のことを前から知っていました。告発された行為者が自らを弁護することは、権利であり、本能でもあります。実際、告発者と告発された者の証言が互いに一致しないこと、あるいは相反することは法廷であれ、私的空間であれ、舆論の場であれ、よく見られるのです。滕彪氏は法律の専門家であり、法廷で自己不在拒否特権を持っていることをよく知っているはずです。「強姦未遂」の告発がされた数週間前から、すでに滕彪氏が自分が公に告発されることを知ったはずです。そのため、滕彪氏が自分の務めている機関、彼と協力関係にある大学機関、また各国の専門家、学者、資金提供者、さらに彼が重視するフェミニスト活動家に自分の無実を訴えるための時間とチャンスがありました。その後、滕氏は「公開謝罪」を発表し、自分の行為は「受け入れられべきではなく、許されるべきではない」と考え、「私が犯した過ちであり、その責任も私一人で負うべきだ。だから、私の友人たちは絶対私のために弁護しないでほしい」と述べました[1]。滕彪氏の「謝罪」はまだ一年にも足らず、今回の公開書簡の署名活動は、彼が約束を守り、自分の行動の結果を勇敢に受け入れ、友人たちが彼のために弁護させない、かつ責任を分担させないように注意するものです。
滕彪氏は常にメディアや多くの公共活動に積極的に参加していますが、これは彼個人の自由です。しかし、組織や機関などの公開のイベントに招待されることは、公共的な出来事です。そのため、一部の日本在住のフェミニストたちはシンポジウムの開催直前にこの公開書簡を発表しました。#MeToo運動が世界中で広がってきた現在、多くの機構と運営側は、「強姦未遂」に該当しない行為であっても、「非常に不器用な求愛」であっても、その行為の受け手がそう捉えない限り、その行為が不適切だと一般的に思われます。行為者や関連機構は、責任や対策について問われるし、求められますことは可能です。さらに、私の知る限りでは、滕氏に対して、複数の女性が異なる範囲において自らの経験(滕氏によるセクハラ/性暴力を行われたこと)を公表し、一部の機関に正式に苦情を申し立て、詳細な証言や証拠を提出していました。これらの機関が関連情報を一切公開しなかったため、女性の当事者の声がそれらの機関に耳を傾けられ、調査され、考慮されたかどうかは不明です。しかし、少なくとも「強姦未遂」の告発と関連するイベントの主催者は、2023年6月に公開声明を発表し、以下3点の過ちを認めました。①「理非曲直を問わず、当事者の女性(被害者)が(性暴力疑惑の)事件に一定の責任を負っていると仮定し、乱暴に彼女を非難することで、彼女を深刻に傷つけること;②主催者は会議や所属組織、個人の声望を過度に重視し、一人のチームメンバーあるいは会議の参加者が被害に遭う時の気持ちを無視したこと;③チームの責任者としての責任から逃れ、当事者の女性に適切な支援を提供しなかったこと[2]。このように、以上の例の中ののイベント主催者の反省は、少なくとも明治大学国際労働研究所にとってご参考になることが考えられます。
また、明治大学国際労働研究所は、国際労働総会が2019年に採択した「仕事の世界における暴力とハラスメントの根絶に関する条約」とその任意議定書をご存じであるはずです[3]。この条約は、暴力とハラスメントを定義し、共通の枠組みを設定し、社会的な対話を通じて、公正で尊重され、安全な労働環境を構築することを目指しています。都市部も農村部も、正規や非正規な経済活動のすべての私営および公共的な部門において、この条約が適用されます。また、仕事に関連する出張や旅行、研修、イベント、社交活動、および仕事に関連するコミュニケーションもこの条約の対象となります。このような条約が既に存在する状況の中で、自由と権利をテーマとする一般向けのシンポジウムを開催する際に、既に提起された懸念や疑問、予想可能な反対意見を無視することは、非常に遺憾だと言わざるを得ません。
公開書簡の内容と言葉は平和的であり、主催側の関心を喚起し、適切な対応を取ることを目的としています。この書簡は、声望かつ責任感のある機関としての主催側の社会的な配慮と責任感を示すように呼びかけています。その趣旨は、主催側の労働問題の専門性や自由権利に関する国際シンポジウムの目的と完全に一致しています。
3月16日、シンポジウムの当日に、数人の女性がシンポジウムの会場の外で丁寧に自分たちの反対意見を表現しました。仮に公開書簡が誰かに傷をもたらしたというならば、それは滕氏が自分の数ヶ月前の公開謝罪から逸脱した行動によるものです。彼の人権擁護者としての名誉、自分の家族や関係者の方々に対して傷をもたらしたのは彼自身であり、決してこの公開書簡ではありません。
滕氏自身は最初も今も認めないかもしれませんが、現在では数人の女性が提供した(セクハラ/性暴力の)証言と証拠に基づき、性暴力・セクシュアルハラスメントを反対する人々にとって、滕氏が性暴力の加害者であると判断します。捏造によって彼に加害者のレッテルを貼るわけではありません。今まで、滕氏によってもたらした傷が止まるか、治るか、続くか、悪化するかは、すべてこれからの滕氏自身の選択によって決まるものです。明治大学国際労働研究所は公立機関ではありませんが、社会的な権威のある学術機関として、公衆や公共的な話題に関心を持つ人々に対して、逃れられない社会的な責任を持っていると考えております。
馮媛 北京為平婦女支援ホットライン 2024年3月18日
※出典
[1] 滕氏に対する直接および間接の引用は、下記2023年6月22日のRadio Free Asiaの報道から引用されます。
https://www.rfa.org/mandarin/yataibaodao/kejiaowen/kw2-06212023133935.html
[2] 同上
[3]日本語訳の参照:https://www.jtuc-rengo.or.jp/activity/gender/data/harassment/ILO_201907.pdf?30
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